死亡事故の損害賠償
交通事故に遭い、被害者の方がお亡くなりになられた場合、ご遺族が損害賠償として請求できるのは、以下の4つになります。
死亡事故の損害賠償の4分類
分類 | 項目 | |
---|---|---|
① | 死亡するまでの怪我による損害 | 治療関係費、付添看護費、休業損害など |
② | 葬儀費 | 戒名、読経料、葬儀社への支払いなど |
③ | 逸失利益 | 本人が生きていれば得られたはずの収入 |
④ | 慰謝料 | 被害者および遺族の精神的苦痛に対する慰謝料 |
死亡事故の損害賠償計算における注意点
死亡事故においても、自賠責保険の基準と裁判所の基準は異なることがありますので、保険会社から示談が提案された場合は、うのみにしないことが必要です。
葬儀費
葬儀そのものにかかった費用や49日の法事の費用、仏壇購入費、墓碑建立費が若干認められる場合もありますが、自賠責保険では60万円までとされています。
一方で裁判基準では、130万円~170万円程度が適切とされております。
なお、香典返しなどの費用は認められません。
慰謝料
被害者が死亡した場合の慰謝料は、被害者の遺族が被害者本人の慰謝料を請求できます。
また、被害者の父母、配偶者、子には、加害者に対する近親者固有の慰謝料請求権があります(民法711条)。
さらに、民法711条の文言上同条に該当しないが、亡くなられた被害者との間に同条所定の者と実質的に同視しうべき身分関係が存し、被害者の死亡により甚大な精神的苦痛を受けた者は、 同条の類推適用により、加害者に対し直接に固有の慰謝料を請求しうるものと解するのが、相当である(最高裁昭和49年12月17日判決)とされており、祖母、兄弟、内縁の配偶者などの場合にも固有の慰謝料を請求しうるとした裁判例があります。
慰謝料も自賠責保険の基準、任意保険の基準、裁判所の基準によって慰謝料の金額が大きく異なりますので注意して確認しておくことが必要です。