過失割合・過失相殺とは?
過失割合とは、加害者、被害者それぞれの過失の程度を示すものですが、交通事故の示談交渉において、過失割合・過失相殺の問題は、非常に重要、かつ、難しい問題です。
被害者にとっては、突然の事故に巻き込まれてしまって、「どうして私が・・・」「なぜ、うちの家族が・・・」と思っておられる中で、例えば「あなたの方にも3割の過失があります」などと言われると、困惑したり、怒りたくなる気持ちになるのも無理はありません。
しかし、交通事故の損害賠償においては、実際には裁判になった場合も、「過失割合が10対0」というケースは、追突などの場合を除いて、なかなかありません。
交通事故の損害賠償額は、損害額から被害者側の過失割合分を差し引いたものになりますので、例えば、1000万円の損害で過失割合が20%となると、1000万円-(1000万円×20%)の800万円の支払いを受けることになります。
すなわち、過失割合によって、受けられる賠償額が大きく変わってしまうのです。
例えば、信号機により交通整理の行われている交差点において、黄信号側の車と赤信号側の車、それぞれ直進車同士が出合い頭に衝突してしまった場合、黄信号側の車も、停止位置を越えて進行してはならない(ただし、黄信号が表示された時において当該停止位置に近接しているため安全に停止することができない場合を除きます)ことになっていますから、行為の危険性の大きさは異なるものの、信号無視という点で、事故が発生する危険を冒したといえ、被害者側にも原因があるといえると思います。
この例では、基本の過失割合は被害者(黄信号車)20%、加害者(赤信号車)80%となりますので、他に修正要素がない場合、黄信号車の損害額が1,000万円だとすると、最終的な金額は800万円になります。
注意しなければならない点は、交通事故の示談交渉において、保険会社から提示される過失割合は保険会社が決めているという点です。
そのため、交通事故被害者にとっては、納得ができない過失割合を提示されることが少なくありません。
当然、赤信号車の運転者が酒酔い運転をしていたなどの事情があった、となると、過失割合は全然違ってきます。
過失割合についても、納得がいかない場合は、専門家である弁護士にご相談ください。